出願商標と使用している商標の態様が異なる場合でも早期審査の対象になりますか?

出願商標と使用している商標の態様が異なる場合でも早期審査の対象になりますか?

結論から申しますと、出願商標と使用商標(早期審査を受けるために提出する「早期審査に関する事情説明書」で使用の事実を証明する商標)の態様がほんのわずかに異なる場合には、早期審査の対象となることがあります。

出願商標と使用商標は、基本的には同一のものでなければなりません。

それゆえ、出願商標と使用商標の2つの商標の間に同一性が認められない場合には、早期審査の申出は却下されます。

ところで、この同一性の判断についてですが、この2つの商標がコピー機でコピーしたもののように完全に同一であれば全く問題はありませんが、現実的にはこの両者の間に多少の相違が発生することは容易に想像されます。

そこで、どのような相違であれば同一性が認められるかということが問題になります。

このことについては、商標の文字の字体の相違、例えば、出願商標の文字が明朝体で使用商標がゴシック体であるケースや、出願商標の文字が縦書きで使用商標が横書きであるケースなど、この程度の相違であれば同一性が認められ、早期審査の申出は受理されます。

一方、アルファベットの大文字と小文字の違いや、商標の文字の段数の違い(出願商標の文字列が2段で構成されるのに対して使用商標が3段で構成されるような違い)、平仮名と片仮名の違い、文字とセットになった図形の有無の違いなどの場合は、同一性があると認められないため早期審査の申出は却下されます。

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